ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > ミャンマー >日本の官民ファンド・企業にミャンマーのクローニー(政商)との提携に関して質問状を送付
メコン河開発メールニュース2025年6月2日
本日、メコン・ウォッチを含む国内外7団体(※)は、株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)および株式会社海外通信・放送・ 郵便事業支援機構(JICT)、そして、株式会社日本国際放送(JIB)に、「ドリーム・ビジョン社出資における貴社のシュエタンルイン・メディア社との提携に関する質問状」を送付しました。
ミャンマー軍は2021年2月1日にクーデターを起こして以来、戦争犯罪と人道に対する罪にも相当する深刻な人権侵害を市民に対して続けています。同軍による作戦や、同軍と少数民族抵抗勢力・民主派との戦闘により国の全域でおよそ350万人にものぼる避難民が発生しています。
ミャンマー・エコノミック・ホールディングス・リミテッド(MEHL)のように軍が所有・経営する企業のほか、クローニー(政商)企業が関与するものも含む軍関連の事業体が生み出す収入を同軍が使い、その作戦を支えていることについて、深刻な懸念があります。
官民ファンドの株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)および株式会社海外通信・放送・ 郵便事業支援機構(JICT)、そして、日本放送協会(NHK)が主たる株主である株式会社日本国際放送(JIB)は、ミャンマーのDream Vision Co., Ltd.(ドリーム・ビジョン社)に出資していますが、このドリーム・ビジョン社には、ミャンマーの大手メディア企業シュエタンルイン・メディア社(STLM)とミャンマー・ビジネス・セントラル社も出資しています。STLMは、国連のミャンマーに関する独立調査団の報告書に、クローニーである、と記載されているShwe Than Lwin Groupの子会社です。
また、STLMと、現在ミャンマー軍の支配下にあるミャンマーラジオテレビ局(MRTV)との合弁事業であるミャンマー・インターナショナル・テレビジョン(MITV)は、2021年以降、ミャンマー軍のプロパガンダを行う役割を担っています。
このことから、7団体は質問状で、クーデター以降にドリーム・ビジョン社の事業に関して、人権デュー・ディリジェンスを実施したか、現在もドリーム・ビジョン社に資本参加を続けているのか、また、ドリーム・ビジョン社から出資を引き揚げる予定はあるかを問い合わせ、6月30日までの回答を求めました。各社からの回答は後日、団体ホームページ等で公開します。詳細については、質問状をご覧ください。
各社へ送付した質問状のリンク:
株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)
株式会社海外通信・放送・ 郵便事業支援機構(JICT)
株式会社日本国際放送(JIB)
※ 7団体は、メコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、アジア太平洋資料センター(PARC)、国際環境NGO FoE Japan、ジャスティス・フォー・ミャンマー、日本国際ボランティアセンター(JVC)、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)
また、メコン・ウォッチと#ミャンマー軍の資金源を断て キャンペーン団体は、本日、以下のアクションを予定しています。
ミャンマー軍を利する日本の官民ファンドの事業を止めて!日本政府は責任ある撤退と説明をー官邸前アクション
日時: 2025年6月2日(月)18:30〜19:30
官邸前(最寄駅:国会議事堂前駅)
(文責:メコン・ウォッチ)