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巨大ダムはラオスの貧困を救うのか!?
―世界銀行とADBのナムトゥン2ダム支援を問う

終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました。なお、当日の講演録は以下よりダウンロードできます。

講演録

イベント概要


事業予定地周辺の森林は早くも伐採された(1995年撮影)

「貧困削減のためのダム」−プロジェクトを推進するラオス政府や、開発企業のナムトゥン2電力会社、そして支援を検討している世界銀行やアジア開発銀行(ADB)は、ナムトゥン2ダムをそう呼びます。

ラオスのナムトゥン2ダム計画は、日本が第2の出資国となっている世界銀行が支援をするかどうかで、国際的に最も論議を呼んでいる大規模インフラ事業です。ラオス中部のナカイ高原の450平方キロ(琵琶湖の3分の2)を水没させるこのプロジェクトは、約6000人の立ち退き住民を含め10万人を超える農村住民に被害をもたらし、アジア象など貴重な野生動物の生息地を破壊します。総事業費は、ラオスのGDPの7割に相当する12億ドルで、そのうち7割以上を海外からの借金でまかなうことになります。計画の実現は資金が集まるかどうかにかかっており、そのカギを握っているのが世界銀行の支援です。世界銀行が支援を決定すれば、日本がアメリカと並んで最大の出資国となっているアジア開発銀行も融資を行うだろうと見られています。

本当にこの巨大ダムプロジェクトはラオスの貧困削減につながるのでしょうか?それとも、ナカイ高原に暮す人々に「貧困」をもたらそうとしているのでしょうか?今回、海外のNGOからパネリストを招き、ナムトゥン2ダムの社会環境影響、経済分析、現地の住民の現状を報告するセミナーを、東京シンポジウムを皮切りに京都広島の三都市で開催。世界銀行とアジア開発銀行による同事業支援の問題点を考えます。

※本国際セミナーは平成16年度の地球環境基金助成金を受けて開催します。

パネリストの紹介

ウィトゥーン・パームポンサチャロン

Towards Ecological Recovery and Regional Alliance(TERRA)共同代表、弁護士

TERRAはタイを代表する環境NGOで、80年代に世界銀行が支援を検討したナム・ヂョアンダム計画を廃止に追い込んだ。ウィトゥン氏はその時の中心人物。タイのみならず周辺のインドシナ諸国への開発の不合理さを問い続ける。

名村隆行

日本国際ボランティアセンターラオス現地代表

ナムトゥン2ダムの建設が計画されるナカイ村をベースに活動している。ナムトゥン2ダムの建設が予定されているナカイ高原で、森林保全や農村開発事業に取り組んできた。現地の人たちと関わる中で、国際機関の事業に対する懸念の声を耳にし、アドボカシー活動を展開している。

アビバ・イムホフ

International Rivers Network(IRN)東南アジア担当キャンペイナー

カリフォルニアはバークレーにある環境NGO、IRNのスタッフ。ナムトゥン2ダムの国際的なキャンペーンの中心メンバーであり、世銀への働きかけやダムの環境社会影響関連の調査分析のコーディネートなどに従事している。

松本 悟

特定非営利活動法人メコン・ウォッチ代表理事

ラオスで農村開発に協力していた90年代前半、ナムトゥン2ダム計画に伴う伐採を直に目にする。その様子は、自身の作『メコン河開発』(1997年、築地書館)に生々しく描かれている。ナムトゥン2ダムを計画当初より憂慮してきたひとり。

※同時通訳有り(英→日のみ)

■京都
「世界銀行の巨大開発と日本―ラオス・ナムトゥン2ダムプロジェクトから」

関連イベント


東・東南アジア河川ウォッチ・ジャパン(RWESA-J)主催セミナー&アジア太平洋みどりの京都会議 分科会 「そのダムは必要か?その途上国支援は適切か?−日本におけるダム問題&アジアにおけるダム問題と日本の公的資金−」

■広島
「こんな援助は必要なの?―世界銀行とナムトゥン2ダム計画」

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