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メコン河開発メールニュース 2006年2月1日
2005年11月16日のメコン・ウォッチのメールニュースでお伝えしましたが、ベトナムからカンボジアに流れるスレポック川(メコン河の国際支川)に建設中のブオンクオップダムに、国際協力銀行(JBIC)が融資をしようとしています。
これに対して、下流のカンボジア北東部の住民や行政当局は大きな不安を抱えています。と言いますのは、同じベトナムからカンボジアに流れるセサン川では、ベトナムが建設したヤリ滝ダムからの放水によって、多くの人命が失われ、家畜・衛生・漁業に甚大な悪影響が引き起こされたからです。
スレポック川でも同じような問題が将来起きないか、住民も地元当局も大きな懸念を持っています。にもかかわらず、融資を検討中のJBICは、カンボジアの住民たちを利害関係者と考えていません。
こうしたJBICの動きに反発した現地の住民と当局が、JBICの国際金融等業務を管轄する日本の財務省に対して、融資を行わないよう求める請願書を2005年10月に提出しています。
スレポック川はベトナムの高原地帯に源流を持ち、カンボジアの北東部のモンドルキリ州、ラタナキリ州、それにストゥントレン州を流れています。
私たちラタナキリ州のスレポック川沿いに暮らす2641世帯1万2615人の先住民族は、伝統的な生計手段である水田耕作、漁労、それに狩猟によって生活をしています。
最近、私たちはみな、次に挙げるような問題に遭遇して非常に憂慮しています。
私たち、地元の郡と集合村当局及び住民は、上記に述べられた地域社会の提案を支持します。
もしダム建設を続けるのなら、影響を受ける地域社会にもたらされる問題や被害の責任を要求します。
私たち、住民と地元当局は、日本の財務省がこうした要望を受け入れることを願っています。
2005年10月11日
スレポック保護ネットワーク代表
(署名) Sin Thonglao, Nom Phany, Nou Khamkhorn, Rim Kadam, Prom Sem, Thun Bunheang