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ホーム > 資料・出版物 > メールニュース >カンボジア鉄道復興事業>移転住民がADB前で請願行動

 カンボジア鉄道復興事業>移転住民がADB前で請願行動

メコン河開発メールニュース2012年4月9日

4月2日、アジア開発銀行(ADB)が8,400万ドルを融資するカンボジアの鉄道復興事業で立退きを余儀なくされた住民が、補償や雇用の拡大を求めてADB現地事務所の前で請願行動を行い、黒田東彦ADB総裁宛に窮状を訴える書簡を提出しました。
(カンボジア鉄道復興事業の住民移転問題についてはこちらを参照)
この事業をめぐっては、移転住民を支援する現地NGOがカンボジア政府から警告や活動停止処分を受け、これは今に至るも撤回されていません。
(「ADBに移転問題の改善を求めたNGOに対し、カンボジア政府が警告・活動停止処分」(メコン河開発メールニュース2011年9月8日)を参照)

今回の請願行動に際しても、50世帯の住民に対して50名の警官隊が出動したと報道されています。開発事業において「住民参加」が常識として謳われる一方で、正当な補償を求める声をあげることすらリスクを伴うなど、現実はむしろ悪化していると言わざるをえません。

さらに昨晩、現地から、ADB前での請願行動で中心的な役割を果たした住民が自宅で襲撃されるといった信じがたい知らせが届きました。この出来事については、まとまった情報がそろい次第お伝えしたいと思います。

以下は、4月2日の請願行動を報じる現地『プノンペン・ポスト』紙の記事の日本語訳です。

鉄道立退き住民、ADBに支援を求める

Khouth Sophak Chakrya
プノンペン・ポスト
2012年4月3日

昨日(4月2日)、カンボジア国有鉄道プノンペン区間の改修工事で立退きを余儀なくされた住民たちが、アジア開発銀行(ADB)に対して生計への支援を求める請願を提出した。

Por Senchey地区Trapaing Anchang村に移転した160世帯以上の家族を代表して約50世帯がADB事務所の前に集合し、請願を手渡した。黒田ADB総裁に宛てた請願では、総裁の力で雇用の拡大、追加補償の提供、移転地の基盤整備を実施するよう要請している。不十分な補償に対する不満や工事の遅れが発生している総事業費1億4,300万米ドルの鉄道復興事業にまた一つ問題が加わった。

住民代表の一人Ros Bophaさん(33才)によると、住民たちは3月6日、RusseiKeo地区のTuol SangkeおよびKilometre 6村から移転させられた。ADBや政府関係者が約束したため、移転住民たちは生活水準が向上するものと期待していたが、実際にはそうならなかった、とRos Bophaさんは話した。

「生活水準はどんどん悪くなり、仕事も見つからないので、土地の権利書を抵当に入れて家を建てたり、食いつないでいる家族も多いんです」と、Ros Bophaさんは付け加えた。

一方、Sok Langさん(46才)は、食品倉庫の運搬係の仕事を失ったが、これは移転した場所が(職場から)遠すぎたためで、今では債務のために財産を失う 危機に直面しているという。

50名の警官隊を伴って住民による請願の提出を監視したPor Senchey地区副代表のHem Narith氏は住民代表に対して、地元の役人に文書で支援を求めるよう促した。

(現地NGOの)Bridges Across Borders Cambodiaで開発監視プログラムを担当するEang Vuthy氏は、Trapaing Anchangが移転地として認められようとしていた2010年、ADBに対して同地の問題点を警告したと述べた。

「住民たちは市内に住んでいたのです。それが25キロも離れた郊外に移転させられたのですから、仕事を失い、公共サービスを利用するにも不便が生じます」とVuthy氏は語った。

ADBの報道官は電子メールによる回答で、住民から請願を受取り、「指摘された課題」を検討中だと述べた。また、カンボジア政府は、ADBも同意した基準にのっとって移転地を選定したと付け加えた。

2010年6月に公開されたADBのプノンペン区間移転計画では、「事業地近辺に広い土地が見つからず、プノンペン中心部の土地価格は事業地周辺では非常に高い」としている。また、この移転計画には、住民の移転地は「市の中心街から少なくとも15キロ離れており」、近くに社会サービスが存在すること、土地の面積や価格が妥当であることを理由に選ばれたと記載されている。

英語原文は、下記のサイトで閲覧可能
http://www.phnompenhpost.com/index.php/2012040355398/National-news/railway-evictees-seek-adb-aid.html

また、請願の様子は、上記記事の写真および以下の『カンボジアデイリー』紙の写真で知ることができる。
http://cambodiatrainspotter.wordpress.com/2012/04/03/families-evicted-by-railway-project-file-complaint-with-bank/

(文責・翻訳 メコン・ウォッチ)

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