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メコン河開発メールニュース2012年5月28日
共産党一党独裁のベトナムで、原発建設に対する日本の協力中止を求める抗議文書への署名運動がネット上で行われ、5月23日までに日本大使館に提出されたことが報じられています(時事通信、共同通信報道)。呼びかけを行ったのは、ベトナム知識人の間で著名な研究者グエン・スアン・ジエン氏で、自らのブログで情報を広めていました。同氏は先週、次のような出来事をベトナム語でブログに掲載しています。
「今朝、2012年5月18日、「傷病兵」と自称する見知らぬ人々のグループがハンノム研究所(注:漢字から作られたベトナム固有文字、ハンノムの古文書を研究する同国機関)内の私の研究室に侵入し、乱暴に私を威嚇した。彼らは非常に不躾な言葉をがなり立てるばかりか、研究所幹部と私の前、仕事場の真ん中で寝そべってしまった。彼らは私の書いた文章「ベトナムの原発建設への援助に反対する、日本政府への公開状」を削除するよう求めた。【匿名の翻訳者の情報を転載】」
文書はハノイの日本大使館には届いていることが確認されていますが、この勇気ある行動に不当な圧力がかからないよう、日本政府も慎重に見守る必要があると考えます。
また、5月27日付の朝日新聞でも、同国の原子力研究者自身が、拙速な原発建設に向けた動きに対して強い懸念を示していることが伝えられています(ザ・コラム「ベトナムへ原発 やぶの中、輸出に走る罪深さ」)。
ベトナムからの情報は非常に限られています。ベトナムの人々が原子力発電所に関して受けている情報も、限定されたものです。福島事故の原因究明もままならない中、ベトナムのような言論の自由が制限されている国に日本が原発を輸出することは、ベトナムの国民が何も知らないうちに、日本の失敗を押し付けることにつながります。しかし、日本でもさまざまな立場の方がこの状況を変えるべく行動しています。みなさまもぜひ、引き続きこの問題にご留意ください。
メコン・ウォッチでは下記のサイトに、これまでの動きをまとめました。
>> ベトナムの原発開発計画と日本の原発輸出
また、下記のイベントに協力しております。会場確保の関係で、当団体のイベントと重なっておりますが、併せてご検討ください。
フランスとアメリカとの戦争で二度、村を追われた。
戦争が終わって やっとここに戻って来たのに もうどこにも行きたくないんだ。
第2原発建設予定地 タイアン村 グエン・ケイさん
日越両政府が、着々と進めているベトナム・ニントゥアン省の原発建設計画。
一方で、福島原発事故では、多くの人々が故郷を追われ、また放射能汚染の恐怖に苦しんでいます。
先日、社会主義のベトナムではきわめて異例ながら、原発建設に対する日本の協力中止を求める抗議文書への署名運動が行われ、日本大使館に提出されました。
この運動を企てた人に対する弾圧や嫌がらせが心配されています。
こうした状況を踏まえ、FoE Japanはこのたび、ベトナムへの原発輸出を問う映像上映会および最新情報についてお伝えするための集会を開催します。
◆日時:2012年6月1日(金)18:15〜19:45
(30分前からロビーにて通行証を配布します)
◆会場:参議員議員会館 B-104号室
(最寄り駅 東京メトロ・永田町駅、国会議事堂前駅)
◆内容
映像でみるベトナム原発輸出:
上映作品「忍び寄る原発〜福島の苦悩を輸出するのか〜」
(26分/FoE Japan制作/撮影・編集:中井信介)
今、何が生じているのか〜抗議の声届け! 日本政府に対する抗議文と署名と弾圧
◆主催:国際環境NGO FoE Japan
◆協力:メコン・ウォッチ
◆定員:60人
◆参加費:800円
◆問い合わせ:
国際環境NGO FoE Japan/tel: 03-6907-7217
携帯:090-6142-1807(満田)
★ベトナムの原発建設予定地の状況に関するレポート↓↓
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-bd43.html