ホーム > 資料・出版物 > メールニュース >原発輸出>日本政府への抗議文送付、その後の顛末2
メコン河開発メールニュース2012年6月14日
ネット上で伝えられる現地の状況に危機感を持った日本の市民は、日本政府に対し、次のような要請書を発出しています。要請書は、国際環境NGO FoE Japanからの2日間という短時間の呼びかけにも関わらず、1255筆の署名を集め、6月4日に日本政府に提出されました。詳しくは以下もご覧ください。
http://www.foejapan.org/energy/news/120604.htmlこの要請書は引き続き署名を集めています。
メコン・ウォッチではベトナムの原発輸出に関して、下記のページにまとめております。併せてご覧ください。
>> ベトナムの原発開発計画と日本の原発輸出
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内閣総理大臣 野田 佳彦 殿
外務大臣 玄葉 光一郎 殿
原発輸出に対するベトナム人有志から
日本政府宛抗議文の取り扱いについて(要請)
先日、グエン・スアン・ジエン氏らベトナム人有志453名が署名した抗議文書(注)が日本政府宛に提出されました。抗議文書の内容は、日本のベトナムへの原発輸出に関するもので、日本の技術を持ってしても事故を防げず、日本では多くの人々が原発に強い懸念を持っていると指摘、日本国内の商業用原発50基がすべて停止したことにも触れた上で、日本政府がベトナムの原発建設を支援するのは無責任、もしくは非人間的、不道徳な行動だ、などと批判しています。5月18日、同氏の勤務する研究所に傷病兵をなのるグループが乱入し、同氏を威嚇、文書の削除を求めました。また、最近になって同氏に対してハノイ市の監察に出頭命令が出され、その後、同氏のブログが閉鎖されました。
福島原発事故の悲惨で深刻な事故は未だ収束せず、多くの人々が苦しんでいます。この事故の経験を踏まえ、私たち日本の市民は、再稼働に反対し、原発依存からの一刻も早い脱却を望んでいます。日本の国内において、原発の安全性に対する疑念が高まり、放射性廃棄物の処理の解決のめどはつかず、原子力ムラによる政治・経済の支配が横行しています。麻薬のような原子力依存から抜け出すことを求めて多くの心ある市民が声を上げています。
私たちは、同じアジアの同胞として、ベトナムがこの危険な技術を導入することにより、日本と同じ過ちを繰り返し、ベトナムの人たちが、原発に依存し、危険と隣り合わせの生活を送らざるをえなくなることを憂いております。
原発はベトナムの国民ばかりか周辺国の住民に多大なリスクを負わせることになります。一部の日本の産業界の利益のために、ベトナムへの原発輸出を強行することは、日本にとっては大きな汚点となるでしょう。
私たちは、グエン・スアン・ジエン氏らベトナムの市民たちが、勇気をもってこのような文書を日本政府に提出したことに深い敬意と共感の意を表明します。
私たちは、日本政府に対しては、この文書を誠意をもって検討し、その回答を示すように求めます。また、日越両政府に対して、本文書を発出したことにより、グエン・スアン・ジエン氏ら署名者がいかなる不利益をうけないように必要な措置を講ずることを求めます。
日本の市民社会・国際社会は、本件を注意深く見守っております。両政府が、この命がけの要請に対して真摯に対応することを切に要望いたします。
賛同署名1255筆
<呼びかけ/問い合わせ先>
国際環境NGO FoE Japan
(文責 メコン・ウォッチ)