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 カンボジア・セサン下流2>NGOや影響住民が批判の声

メコン河開発メールニュース2013年1月29日

カンボジア北東部のストゥントレン州セサン郡に建設予定のセサン下流2ダム(発電量400メガワット、総工費7億8,100万米ドル)に対して、カンボジアのNGOや影響住民が批判の声を強めています。【1】

セサン下流2ダムは、メコン河の大支流セサン川とスレポック川がメコン河本流と合流する地点近くに建設されるため、被害が広範囲に及ぶ可能性があります。2012年、米国科学アカデミーの紀要が掲載した論文では、このダムによって、メコン河流域に生息する魚類が約一割(9.3%)減少し、50種以上が絶滅の危機にさらされると予測しています。【2】

また、建設にともない、先住・少数民族を含む約1,100世帯(5,000人)が移転を余儀なくされます。1月24日、セサン下流2ダム問題に取り組む市民団体、カンボジアNGOフォーラムは、先住民族家庭を含む315世帯を対象とした生計調査の結果を発表しました。【3】

調査報告の発表の席で、NGO代表が「公聴会も開催されず、情報もほとんど公開されておらず、住民は移転を望んでいない」と反発を強め、12月に来日した住民組織「セサン・スレポック・セコン川保全ネットワーク(3SPN)」のMeach Meanさんも、「2009年に実施した環境影響評価は建設地周辺しか対象としていない」と批判したことを、現地紙『プノンペンポスト』が報じています。同紙は、さらに、こうした市民社会の声にもかかわらず、建設を請け負う中国企業とストゥントレン州政府が、来週にも、住民移転のための準備調査を開始するとしています。【4】

【注】
【1】メコン・ウォッチの「セサン下流2水力発電事業」のページもあわせてご覧下さい
【2】この論文(“Trading-off fish biodiversity, food security, and hydropower in the Mekong River Basin”)は、以下で閲覧可能
http://www.pnas.org/content/109/15/5609.full
【3】この報告書の英文(Lower Sesan 2 hydropower dam: Current livelihoods of local communities(A baseline study)は、以下で閲覧可能
http://www.ngoforum.org.kh/docs/publications/RAN_2013_01_23_Lower%20Sesan2_English_Final.pdf
【4】『プノンペンポスト』(2013年1月25日)の報道(Little information on Lower Sesan 2 dam: Report)は、以下で閲覧可能
http://www.phnompenhpost.com/2013012560978/National/little-information-on-lower-sesan-2-dam-report.html

(文責/土井利幸 メコン・ウォッチ)

 

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