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ビルマ・ティラワ経済特区>公正な補償、真摯な対応を求め、住民が横断幕設置やレター提出

メコン河開発メールニュース2013年9月24日

日本が官民を挙げて進めているビルマ(ミャンマー)・ティラワ経済特別区(SEZ)開発事業では、今年1月末、その開発地域2,400ヘクタールで暮らす約900世帯(約3,800人超)の住民に「14日以内の立ち退き通知」が出されるなど、大規模な住民移転が問題となってきました。

これまで、住民グループやNGOが適切な移転・補償対策を日緬政府に求めた結果、住民移転は当面延期。現在は、年内の着工が見込まれる同SEZ早期開発区域(約400ヘクタール)についてのみ、ビルマ政府当局による移転・補償計画の策定手続きが進められています。

しかし、移転・補償に関する住民協議は、6月11日、7月30日と2回行なわれた後、8月中に行なわれるとされた3回目は開催されていません。そして、この間、ビルマ政府当局側は9月1日に突如一部の住民のみと会合を持ったり(参照:”The Yangon Times” (2013年9月6日付)記事「地元住民側は『ティラワ経済特区マネージメント委員会が世銀の水準に則り土地の補償をしない場合、JICAと直接交渉をする』との意向」http://www.mekongwatch.org/resource/news/20130924_02.html)、住民に対して直接ではなく、現地紙を通じて「移転日を10月20日に設定」と述べるなど(参照:”The Voice Daily” (2013年9月8日付 )記事「ティラワ経済特区の移転対象となる地元住民の移転日設定へ」http://www.mekongwatch.org/resource/news/20130924_03.html)、移転・補償計画の策定手続きにおいて、真摯とは言えない言動を繰り返しており、住民の不信感は高まる一方です。

こうした状況のなか、9月14日、住民グループは、ティラワSEZ予定地(2,400ha)内、および、ティラワ・インフラ整備事業港湾建設予定地内(JICA円借款)に、16本の横断幕を設置。以下3つのメッセージを各々ビルマ語と英語で記し、当局側の真摯な対応を求めました。

@地元住民の人間の安全保障を!
A土地に対する公正な補償を!
B意思決定に私たちの代表の参加を!

   ⇒住民グループが横断幕を設置している様子は、こちらでご覧になれます。
Kamayut MediaTv配信 https://www.youtube.com/watch?v=wYojShylxao

また、住民グループはこれまで数度にわたり、ビルマ政府当局に対し、「移転・補償対策の策定プロセスにおける透明性と住民参加」や「国際水準に則った補償」 に関する包括的な合意文書の締結を求めており、去る8月6日付けのレターでは、 「30日以内に合意文書を締結するか否か」回答をするよう求めていました。しか し、このレターに対しても、これまで梨のつぶてに終わっています。

   ⇒8月6日付レターに関する参照HP:http://www.mekongwatch.org/resource/news/20130902_01.html

これに対し住民グループは、9月10日付でビルマ政府当局側、また、日本の外務省やJICA宛てに公開レターを提出。ビルマ政府当局の態度が真摯でなく、言動が一致していないことから、不信感が増していることを再度訴えています。

以下、9月10日付で提出された住民グループの公開レター(原文ビルマ語)を日本語訳でご紹介します。

ティラワSEZ開発事業に伴い、立ち退きを迫られている住民による日緬関連政府機関等へのレター
(2013年9月10日付)(原文はビルマ語。同英訳を和訳)

2013年9月10日

題目:ティラワ経済特別区の地元住民による国際機関・パートナーへの情報共有

1. 私たちは、ティラワ経済特別区(SEZ)が国家だけでなく、その地元住民の発展にもなると考えていました。
2. そう考えていたので、私たちはセッアウン副大臣の要請について、積極的に協力することを満場一致で決めました。
3. このため、私たちは当面の目的のために複数の代表を選び、協力可能なあらゆる手段を模索しました。
4. 私たちは、上手くいっていない幾つかの試みに関し、手短に示したいと思います。
5. 私たちは2013年5月19日に行なったセッアウン氏との話し合いを歓迎します。それにより、信頼が促進され、透明性のある関係性が構築されました。主に、以下の点が含まれていました。
  i. 若者の雇用機会のため、(奨学金の形式による)職業訓練学校が設立され、事業の実りある成果につながる。
   ii. 事業と農業を(余剰地を残さず)整合性をもって行なっていく。この点について、文書に記し、両者で交渉し、署名する。
   iii. 両者は調整しながら、補償算出のためのデータを収集する。
6. 他の事業地域と比較すると、こうした協力は画期的なものでした。信頼や透明性が改善され、立ち退きを受ける農民は以下の点を提案しました。幾つかの提案を抜粋します。
  i. 宣言書の第6項にあげた包括的な合意について、両者間の良しとする項目に追加して検討することを提案します。
  ii. 来る9月を目指して事業開始が企図されています。準備期間がそれほど残されているわけではないので、両者共同で早急に準備作業に着手する必要性があります。
   iii. したがって、9項目の宣言書を提出した現地住民は、事業が首尾よく実施されるよう協力したく、以下のとおり、提言を提出します。
     a. 宣言書の第6項にあげた包括的な合意について、緊急に全般的な項目のリストをまとめ、交渉を開始する必要があります。
     b. 交渉プロセスを円滑かつ実り多いものにするため、(両者が信頼する)独立した仲裁者を緊急に設置する必要があります。この仲裁者は、議論の場での議長として機能することができます。(宣言書の第8項参照)
     c. 初めに、事業地で農地を利用している農民(畑地利用者は含まれず)に関するデータがまとめられましたが、現地住民は同データの内容について、ぜひ知りたいと思っています。透明性の向上への第一歩として、同データの写しが農民を代表するグループに共有されれば、疑いなく、多大な協力を得られるでしょう。また、現地住民に対し、事業の目的や予測される影響についての説明がなされるよう合意がなされれば、協力関係はより生産的なものになりさえするでしょう。
     d. まず優先的に配慮すべきことは、移転の問題です。(宣言書の第1項参照)
     e. 補償、補償算定の基準根拠、補償を受領する資格のある対象住民リストについては、徹底的に議論がなされる必要のある論点です。したがって、早急にそうした議論が始められるべきです。
     f. 補償の関連事項についての議論に農民を代表するグループが参加することは、最も必要とされていることです。彼らの意思決定プロセスへの参加について、可能な限り早急な合意がなされることを提言します。(宣言書の第4項参照)
     g. 同プロセスのなかで、(農民を代表する)グループがどのような役割を果たそうとも、補償が受け入れられないようなものの場合には、受け入れ可能な補償となるよう、協議のプロセスが繰り返し行なわれるべきです。
     h. 二者間の協力のみでなく、「(金銭)補償以外の手段」に関する内容について明確にしていくことも必要です。したがって、同点についても早急に検討を開始すべきです。(宣言書の第2項参照)
     i. 国際水準に則った補償というのは、歓迎すべき文言ですが、国際水準が何を意味するかを現地住民が理解し、解釈することがより重要です。私たちは世界銀行の水準に則ることを求めます。生計手段の変化に伴い生じる損失が配慮されるのか否か、また、現地住民が新しい生計手段を創出したり、新しい雇用機会を待ったりする間の暫定的な支援が提供されるのかといった質問へ回答するのは、時間のかかるプロセスです。これらの問題に対する明確な姿勢を公表し、物事を始めるべきです。(宣言書の第3項参照)
     j. 経済特別区に転換される土地を利用する現地住民は、「収入機会」への配慮を特別に享受する権利を与えられなくてはなりません。そうすることによってのみ、以前の生活水準より劣らない生活水準への転換が可能になるでしょう。生活水準は、新しい生計手段の技術習得の機会と結びついているので、生活水準が同水準になることは保障されているものではありません。したがって、こうして点についても、あらゆる関係者が可能な限り早急に着手する必要があります。(宣言書の第2項参照)
     k. 9項目の宣言書で言及されているとおり、協力関係を強化していくため、第6項で述べた包括的な合意をしていく必要性があります。また、事業開始に向け、第7項で述べた意見について認識することも重要です。

7. 2013年8月6日付けで、ティラワ経済特別区マネージメント委員会 委員長セッアウン氏宛てに、以下を提出しました。
(抜粋)
   - 移転計画と、経済特別区(SEZ)法第36条に関して伝えるため、「立ち退かされる貧しいティラワ地区の地元住民の現状」という8段落の短いレターを2013年3月7日に提出しました。
   - 3回目のレターとして、本レターのパラ2に述べた覚書のため、9つの要求事項に関する宣言書が2013年6月11日にティラワ地域の農民によって提出されました。
   - 最後に4回目のレターとして「セッアウン氏に対する特別提言」を2013年7月5日に提出致しました。同レターでは、2013年月までに両者間の覚書がまとめられることが要求されています。

8. 度重なるレターの提出にも関わらず、口頭での約束しかないのが現状であり、正式な合意や記録などはありません。
9. 本レターのパラ1を踏まえ、今までの口頭での約束を正式なものとするか否かを判断する時期であると私たちは考えています。さらに言えば、もし(セッアウン氏が)マネージメント委員会の委員長の任を退く場合でも、書面上の覚書をもって、私たちは議論を進めることができると考えています。

この公開レターと添付したその他のレターは公開を前提としています。

本レターのパラ9を踏まえ、私たちは、覚書に署名するか、そうでなければ、口頭での約束を反故にするかに関し、セッアウン氏が30日以内に返答するよう要求します。

10. 上述のとおり、地元住民が協力を建設的に要請してきたにもかかわらず、積極的な回答はまったく表明されておらず、今日まで無視されています。
11. さらに、一方的な物言いや態度、また、繰り返し見られる真摯でない行動により、構築された信頼は徐々に損なわれる方向にあります。

したがって、私たちは、地元住民が今後の結果に対して責任を負うものではないことについて、パートナーや国際機関に伝えたいと思います。

ティラワ地域住民の代表グループ

(以下、現地住民リーダー15名の氏名や連絡先、署名等。同レターの発送先は、ティラワ経済特別区マネージメント委員会 委員長セッアウン氏、ヤンゴン管区政府、ビルマ国家計画・経済開発省、日本外務省、JICA 等)

※同事業の詳細はこちら
http://www.mekongwatch.org/report/burma/thilawa.html

(文責/翻訳 メコン・ウォッチ)

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