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JBIC環境ガイドライン統合のプロセスから学ぶべき点

2002年12月3日 メコン・ウォッチ 松本悟

JICAの環境・社会配慮ガイドラインの改定にあたっては、国会でもJBICの環境・社会配慮ガイドラインをふまえるという発言が外務省幹部からなされている。JBICの環境ガイドライン統合プロセスに関わった立場から、以下の点は改定のプロセスにおいて重要な経験であり、JICAにおいてもそれに準じた対応をするべきだと考える。

1.委員と当日参加者

JBICに提言を行なうために独立した研究会を設置したが、最終提言を作成する段階まで関与した人たちを「委員」、個別のテーマ毎に参加した人たちを「当日参加者」と呼んだ。委員は個人の資格で組織を代表せず、それぞれの立場と経験から、環境ガイドラインの理想形を議論した。したがって、委員も当日参加者も、毎回の会合において同等の発言権を持っていた。

2.意見受付

研究会に出席できない人からの意見や情報は電子メール等で受け付け、研究会の参加者で共有した。受け付けた意見や情報、また会合で提出された資料等は全てホームページ上で公開した。

3.討議予定事項の事前公開

当日参加と意見受付を効果的に行なうため、毎回の討議事項を事前にホームページで公開した。

4.議長の役割

議長の役割は、議事進行を円滑にするとともに、論点の整理や議論が必要な点の明確化である。その際、あくまで、参加者の議論に基づいた公正な議事進行を行なった。

5.議事録

議事録は、毎回、簡潔・明瞭に議論の要点を発言者名とともに記し、発言者全員の了解を得た上で公開した。次回の会合で前回の議事録を承認する方法をとった。

6.意思決定への反映

研究会はできるだけ具体的な提言を行ない、それを公表することで、JBICによる最終的な意思決定への反映を意図した。

7.会合の回数

月2回をめどに研究会を開催したが、回数自体に制限を設けず、必要な項目の議論が終了した時点で、提言書の作成に移った。回数を柔軟にしておくことは重要だった。

8.パブリックコメントと公開協議

研究会の提言をもとにJBICがガイドライン案を作成し、それに対するパブリックコメントの募集(日英2か国語)と公開協議(パブリックコンサルテーション)を開催した。その中で、JBICは寄せられた意見に対する対処方針を1項目ずつ作成し、外部意見の尊重を図った。

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