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国境を越える開発問題
- 原発輸出
日本政府は2010年、「新成長戦略」の当面の重点分野として原発輸出を掲げました。また、国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)、国際協力機構(JICA)などを通じた日本の原発輸出を進める動きは、福島第一原発事故以降も、未だに続いています。一方、アジアの市民からは、このような動きに関して強い懸念の声が上がっています。
- セサン・スレポック・セコン川流域ダム開発
ベトナムとカンボジアを流れるメコン河の支流セサン川流域では、24のダム建設に関する調査が終了しています。既にベトナム側でヤリ滝ダムが建設されましたが、ダムの運転に伴い川の水量が大きく変動するため、農耕地での洪水被害、水質悪化、漁業被害といった深刻な影響を下流のカンボジアで発生させています。しかし、被害に対する補償や再発防止策が整わないまま、ベトナム政府(ベトナム電力公社)はセサン川に次々とダム建設を進めています。政治的にベトナム政府と関係が深いカンボジア政府は被害住民を積極的に救済しようとはしません。このベトナム電力公社に多額の円借款ODAを供与している日本政府は、ベトナム政府のガバナンス改善に配慮した支援を行う必要があります。
- メコン河本流ダム開発(下流部)
増加傾向にある流域国の電力需要を満たすため、メコン河下流域において大規模発電ダムを建設する各国政府の意欲が再燃しています。支流で数々の大規模ダムが計画または建設されているだけでなく、2007年からはメコン河下流における本流ダム計画が復活してきました。ラオス国内で7つ、タイ・ラオス国境で2つ、カンボジア国内で2つの11のダムが計画されています。個別事業の詳細な環境社会評価は、未だ実施されていないか、または公表されていません。しかし多くの既存の調査によれば、これらのダムが、メコン河の豊富な資源に依存している数千の流域のコミュニティーに深刻かつ広範な影響を与えることを示しています。
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