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メコン河本流ダム開発(下流) > パクライダム
パクライダム
パクライダムは、ラオス北西部パクライの町からほど近い、メコン河本流に建設予定です。幅630メートル、高さ35メートル、貯水面積は108平方キロメートルとなる予定です。設備容量(見込み)は1,320MWで、主にタイへの売電が目的です。ダム建設によって、1,079世帯19,046人が影響を受け、16の村6,129人の移住が必要とされています。
- プロジェクト名
- パクライ水力発電所
- プロジェクト所在地
- サイヤブリおよびビエンチャン
- 調査・実施主体
- 建設業者:中国電子輸出入公司(China Electronics Import Export Corporation:CINIEC)と中国水利水電建設集団公司(Sinohydro Corporation)
環境影響調査:アースシステムズ(Earthsystems)、ノルウェーのNorconsult、CINIECとSinohydroの共同で調査を実施。初期環境調査(IEE)報告書が2008年6月に提出された。
- 事業費・供与先
- 事業費約16〜18億ドル(Vientiane Timesの2007年6月13日の報道によると、事業費17億ドルとの試算もあります。)
中国輸出入銀行が2億7,000万ドルの借款(利子率6%)を供与予定ですが、借款の条件(利率など)についてはラオス政府との間で調整中。
- 状況
- 中国水利水電が競争入札で中国国電集団(China Guodian)の提示額を上回り獲得。
2007年6月11日、覚書(MOU)が交わされ、現在は実現可能性調査(F/S)の段階にあります。F/Sの期間は2010年7月11日までの30日間で、既に調査期間は終了していますが2011年12月現在、その後の詳細は不明です。早ければ2016年に事業委託がなされるとの見込みもあります。 当初、2つの建設予定地が候補となっていましたが、ラオス政府が実施した最適化調査では、より上流部に建設するオプションが推奨されています。その理由は、ダムの建設にともない移住が必要な住民数が、下流の18,000名に対し6,129名と、約3分の1に減ると推計されたからです。
- 懸念される問題点
-
・Mekong Secretariatの1994年報告書によると、ダム建設にともない周辺5村から計1,720名の住民の移住が必要と考えられる。
・魚道についての言及があるが、詳細は不明。
・急激な水位の変化が川下住民および灌漑に影響を及ぼす。
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