ホーム > 追跡事業一覧 > タイ > ヒンクルート石炭火力発電所 > ストップ!ヒンクルート&ボーノック第1号:キャンペーンの呼びかけ
2001年12月6日
メコン・ウォッチ&地球の友ジャパン
日本の企業と政府機関が、現地の議会や地域住民を無視して進めているタイの石炭火力発電所計画を止めるため、皆さんの力を貸して下さい!
タイで今最も大きな問題となっている開発プロジェクト、それが南部のプラチュアップキリカン県に計画されている2つの石炭火力発電所=ヒンクルートとボーノックです。ヒンクルート発電所計画へはトーメン、豊田通商、中部電力の日本企業3社が投資し、ボーノックについても、経済産業省が監督する特殊法人電源開発が出資を検討中です。漁業や環境への深刻な影響を懸念する地方議会や地域住民が激しい反対の声を挙げ続けているにも関わらず、日本の特殊法人国際協力銀行(JBIC)が融資を前向きに検討しています。
スリランカでの破壊的な燐鉱石採掘計画で国内外の非難を受けた『環境先端企業』トーメン。フィリピンのサンロケダムをめぐって現地の激しい非難を受け続ける国際協力銀行。懲りもせずにまたも問題プロジェクトに手を出しています。
このプロジェクトをめぐっては激しい住民の反対運動で何度か流血事件も起き、タイ政府内部ですら計画に対して中止・慎重論があります。にもかかわらず日本企業、JBIC、在タイ日本大使館は、タイ政府に計画決定・早期回答を迫っています。外務省は、大使館の使命は日本企業の利益保護であり現地住民の声を聞くことではないと、国会議員への答弁書ではっきり書いています。今ここで声をあげなければ、企業、JBIC、外務省は一層働きかけを強め、住民の苦しみは益々増えるに違いありません。
プラチュアップキリカン県バンサパーン郡トンチャイ村に、1400メガワットの能力を持つ石炭火力発電所を建設する計画です。開発事業主のユニオン電力開発社(UPDC)には、トーメンが34%、豊田通商が15%、中部電力が15%と全体の3分の2を日本企業が出資しています。民間独立発電事業体(IPP)としてタイ発電公社(EGAT)と25年間の電力売買契約を締結し2002年中の着工を目指しています。総事業費は13億ドル。トーメンが中心的な役割を担い、経済性と環境問題を考慮して撤退したフィンランドのフォータム社などに代わって、今年8月に豊田通商と中部電力が参入しました。1998年に日本輸出入銀行(現国際協力銀行)が5億ドルの投資金融の供与をほぼ決めていましたが、激しい反対運動を受けてタイ政府が見直しを始めたため一端は白紙状態に戻りました。
プラチュアップキリカン県ムアン郡ボーノック村に、1468メガワットの能力を持つ石炭火力発電所を建設する計画です。開発事業主のガルフパワー社に60%を出資しているガルフエレクトリック社に、特殊法人電源開発株式会社が出資を検討しています。民間独立発電事業体(IPP)としてタイ発電公社(EGAT)と電力買電契約を1997年に締結。総事業費は8億2千万ドルで、日本の経済産業省から分かれて独立行政法人化した日本貿易保険と国際協力銀行が融資を検討しています。
現地の情報によりますと、タイ政府はこのプロジェクトを進めるかどうかの最終的な結論を近々出すと見られています。もしタイ側が推進を閣議決定すれば、国際協力銀行が融資に向けて駆け足で審査を進めることが十分考えられます。この問題プロジェクトを止めるなら今です。
是非多くの個人・団体にこのプロジェクトの問題を知って頂き、様々な働きかけを行なって頂きたいと思いまして、この呼びかけを始めました。私たちも随時行動を起こしていきます。具体的には次のようなことが考えられます。