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ヒンクルート石炭火力発電所

日本企業が中心となってタイ南部のプラチュアップキリカン県に建設を目論んでいたヒンクルート(ヒンクルット)とボーノーク(ボーノック)の2つの大規模石炭火力発電所は、現地住民の激しい抗議などの結果、プロジェクト地や発電燃料の変更を余儀なくされました。

反対派を押さえこむために傍若無人なふるまいをしたトーメンを中心とする日本企業、それを支援し続けた国際協力銀行(旧日本輸出入銀行)や日本政府(特に当時の赤尾大使を中心とする在タイ日本国大使館)は、5年余り大きな批判にさらされました。

プロジェクト名
ヒンクルート(ヒンクルット)石炭火力発電所
所在地
タイ・プラチュアップキリカン県トンチャイ地区
実施機関
ユニオン電源開発社(Union Power Development Co., Ltd.)。プロジェクト中止決定の段階では、トーメンが34%、中部電力・豊田通商が15%づつを出資。建設は東芝・東芝プラント建設が受注、燃料となる石炭はトーメンが供給。
資金供与
ユニオン電源開発社の資本金の他、国際協力銀行(JBIC)による投資金融および他の金融機関による協調融資を予定していた。
状況
2002年5月にタイ政府がプロジェクト凍結を決定。その後プロジェクト地はラチャブリ県へ、燃料は天然ガスへと変更された。

ヒンクルート石炭火力発電所とは

ヒンクルート石炭火力発電所地図

ヒンクルート石炭火力発電所は、ユニオン電力開発社(Union Power Development Co., UPDC)がプラチュアップ・キリカン県南部で計画を予定している、1400MW規模の石炭火力発電所です。UPDCはタイ電力セクター改革で新たに生まれた独立発電事業体(IPP)であり、タイ政府との間に25年間の電力売買契約を結んでいます。

UPDCの最大株主は日本の中堅商社であるトーメンであり、旧日本輸出入銀行(現国際協力銀行)が投資金融による支援を検討し、1998年には融資決定寸前まで行ったと言われています。しかし、タイ国内の住民運動が高まり、環境影響評価に様々な問題点があることが指摘され、旧輸銀は融資を一旦白紙撤回しました。

その後2000年10月に、タイ政府の閣議で公聴会の結果が報告され、事業の影響を検討する委員会の設置が決まりました。UPDCは、この閣議決定によって事業へのゴーサインが出たとして、JBICに対して融資を求めています。2001年8月には、中部電力と豊田通商がUPDCへの資本参加を表明、本プロジェクトは株式の64%を日本企業が有することになります。資本構成が確定したことから、JBICが融資審査を開始するのも間近と思われます。

プロジェクトの問題点

UPDCは、このプロジェクトは低硫黄石炭(クリーン・コール)を使い、環境上問題のないプロジェクトであると宣伝しています。しかし地域住民の間からは強い反対の声が上がっています。

大量の温排水や、原料炭荷揚げのための3.5kmの埠頭建設などによって、地域の基盤産業である漁業への影響が懸念されています。また炭塵による大気汚染も心配されます。さらに、気候変動・温暖化が地球環境にとって大きな問題となっている現在、大量の温室効果ガスを排出する石炭火力発電所は、国際協力の名の下に支援するべきではありません。当初行われた環境アセスメントは、建設地沖合いのサンゴ礁の存在を見逃していたとしてやり直しになりました。その後何度も改訂が行われていますが、未だに地域の漁業を過小評価するなど批判が絶えません。

こうした懸念は解決されないまま、住民の同意なしにプロジェクトの準備が進められています。クルット町の人々が発電所計画を知ったのは、1997年に区行政機構がプロジェクトに許可を出した後のことでした。憲法で義務付けられているプロジェクトの公聴会は、反対派が「プロジェクトの是非を議論するのではなく、プロジェクトの進展のためだけに行われている」と批判してボイコットし、賛成派だけで行われ、この結果が閣議に報告されています。十分な情報公開と参加のないまま進められた結果、プロジェクトへの賛否をめぐって地域住民は分裂し、激しく争う結果となっています。事業者による反対派の切り崩しなども行われているようです。

当初事業体であるUPDCに出資していたアメリカやフィンランドの企業は撤退を表明し、両国の輸出信用機関も融資計画から削除しました。建設予定地近くのクルート町もプロジェクトに反対決議をする中、残る国際協力銀行の対応を監視する必要があります。

計画変更、トーメン撤退

現地住民の激しい反対運動や政治的な働きかけの結果、ヒンクルート石炭火力発電所はラチャブリ県に計画が変更され、燃料は天然ガスになる予定です。

しかし、移転候補先のラチャブリ県でも現地住民の抗議が起きています。また、ヒンクルート石炭火力発電所計画において、露骨な住民分断工作を厳しく批判された筆頭株主のトーメンは、石炭輸入の必要性がなくなったためラチャブリ発電事業からの完全撤退を決めたようです。

 

**事業の中止により、現在メコン・ウォッチではこの案件のモニタリングを行っておりません。関連情報をお持ちの方の情報提供をお待ちしております(最終更新日2004年3月)**

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