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イラワディ（イラワジ、エーヤワディ）川ダム開発

 

プロジェクト名

イラワディ（イラワジ、エーヤワディ）川ダム開発

ダム計画地点

ビルマ北部　イラワディ川本流に1か所、支流（マリカ川及びメーカ川）に6か所（計7か所）。

　内訳（＊）

　 イラワディ川本流（1か所）
　ミッソンダム（ダムの高さ152メートル、設置出力3,600メガワット）
　ミッソンダムは、イラワディ川本流では初のダム。ミッソンはビルマ語で「合流地点」といった意味で、ミッソンダムはマリカ川とメーカ川が合流してイラワディ川が誕生する地点に建設が計画されている。

　マリカ川（1か所）
　　ライザ（ラサ）ダム（設置出力1,560メガワット）

　メーカ川（5か所）
　　カウンランプダム（設置出力1,700メガワット）
　　ピゾーダム（設置出力1,500メガワット）
　　ラキンダム（設置出力1,400メガワット）
　　パシェダム（設置出力1,600メガワット）
　　チブウェダム（2,000メガワット）

　 　＊設置出力数は2007年5月のビルマ国営紙による。

実施機関及び電力の行き先

・ビルマ政府及び中国国営の中国電力投資公司（CPIC）。またミッソンダムについてはアジア・ワールド社が周辺の道路建設や機材の手配などを行っている模様。

・ミッソンダムが生産する電力は中国に輸出される。

主な懸念点（＊）

・ミッソンダム建設により47村に住む約1万5,000人が移転対象となっており、2010年12月現在、既に6つの村の住民が移転させられた。当局からの圧力により、住民は非常に不利な補償基準に合意しなければならなかった。

・移転先には農地はなく、住民は生活手段に事欠いている。また飲料水が不足し、診療所や学校などの生活基盤が整っていない。

・766平方キロメートルという巨大な貯水池の出現により、農地や漁場、薬草などの採集場が失われる。

　　＊2010年6月14日付及び12月23日付カチン・ニュース、及び下記報告書による。

関連メールニュースなど

• これ以降、2016年以降のミッソンダムについてはこちら
• ＜ミャンマー＞中国建設中のダム　中断発表後も工事続く　現地調査中の環境団体が報告…中国側作業指示の可能性も（アジアプレス経由Yahoo!Japan、2011.10.21）
• ビルマ（ミャンマー）＞政府がイラワディ川ミッソンダムを凍結　「中国側に正式な工事中止を求める」と環境団体(2011.10.7)
• ビルマ（ミャンマー）＞アウンサンスーチー氏がイラワディ川ダム開発に懸念を表明(2011.8.23)
• ビルマ（ミャンマー）> イラワディ川ミッソンダム開発　「建設するべきではない」との勧告が無視されていた(2011.8.17)
• ビルマ（ミャンマー）北部の内戦　水力開発事業が引き金(2011.7.6)
• ビルマ開発と人権＞イラワジ川ダム着工祝賀会(2010.1.11)　
• ビルマ開発と人権＞イラワジ川ダム開発でも強制立ち退き(2007.3.31)

関連情報

• ビルマ河川ネットワーク（BRN）（英語）のイラワディ川ダム開発のページ
  ビルマでの水力ダム開発により影響を受けるコミュニティの連合体。サイトには各ダム建設についての情報を掲載。
  
• Damming　the Irrawaddy
  カチン開発ネットワーキング・グループ（KDNG）及びカチン環境団体（KEO）による、イラワディ川ダム（特にミッソンダム）建設が周辺に及ぼす悪影響についての報告書（英語）。2007年10月発行。
• Resisting the Flood
  カチン開発ネットワーキング・グループ（KDNG）による報告書（英語）。イラワディ川ダム（特にミッソンダム）建設に伴う強制移転計画や、建設に反対する住民による運動について。2009年10月発行。
• カチン・ニュース（英語）
  カチン州やカチン民族についてのニュースを掲載。イラワディ川ダム開発についての最新情報も。